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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:組織力が蘇る、LEGO® SERIOUS PLAY という手法 ~共感と共創の技術~

2.キャリア開発への応用:大学生とのワークショップで見えてきたこと

私どもは、LEGO® SERIOUS PLAY(以下、“LSP”と略します)の基本構造や技法を活用して、2009年より、個人のキャリア開発を目的としたプログラム創りを始めました。

  • 対象者は、「企業の中堅ビジネスパーソン」、年代は30歳~40歳前後。
  • ここで言う、キャリアの定義は、「仕事を軸に見た人生の歩み」としました。
  • 狙いは、対象者の「10年~20年後の未来像を明確にすること、その目標に向けて、自らの意志で具体的なアクションを選択する」、その「きっかけ」になるプログラム創りを目指したのです。

幸い、大前研一氏のアタッカーズ・ビジネススクールの場をいただき、2009年末から2011年2月まで5回にわたり、1日(7時間半)のセミナー:「自らの進路の舵取りをする」プログラムを、同スクールの受講生など、一般の社会人の方々に体験してもらいました。

その後、企業内の研修の中でも、この原型を取り入れた、キャリア開発やリーダーシップ開発のプログラムを継続・実施しています。

上記は、アタッカーズ・ビジネススクールでの第5回目の募集時の案内です。
(過去の参加者のコメントが付いています)

こちらは、昨年7月、東京デザインプレックス研究所、2回に分けた後半のプログラムの事例です。
(受講者のワークショップでの様子、コメントも付いています)

一方、2011年6月には、マーティング・企画制作企業と共同で、企業内の30歳代社員に焦点を当てた、キャリア開発プログラムを開発しました。これは、企業の理想の未来像と個人のキャリアを重ね、「プロフェッショナル人材」としての自らのアクションプランを見出すことを狙い、「内発的動機に基づく多様なキャリア目標」を設定、モチベーションの内的動機・外的動機の定量的測定を加味し、個々人のキャリアとアクションを文書化するまでの2日半のプログラムを創ったものです。

さて、LSPという手法を活用したキャリア開発プログラムと、従来のアプローチとではどこが異なるのでしょうか?

ここで言う「従来のアプローチ」とは、個人の学歴、職歴、あるいは、現在の職務などから今の自分が持つ、スキル、知識や見識、経験の分析を基点に、個人のキャリアを想像し、文書や絵などに落とし込んで模索する方法を指します。

このアプローチでは、1~2年先の未来のキャリアを勘案する上では有効だと思いますが、5年、10年、あるいは、もっと先の将来を見据えるために、「今の自分」が「将来の自分」のイメージに多くの制約を与えてしまう懸念がありました。

我々のプログラムでは、「今の自分」はちょっと脇に置いておいて、「過去の自分」を振り子の端に据え、過去の自分から、大きく振って「将来の自分」へ跳ばすという構成を考案し、さらに、LSPの特性を生かして、プログラムの運営の上で、ロールプレイのような方法も取り入れ、参加者が「安心」して発言、柔軟に発想できる環境も整えたのです。特に、企業の中で研修を行う場合、参加者が「安心」して参加できるか否か、この環境を創ることが参加者のアウトプットの成果につながります。

プログラムの構成は、大きく次の要素で構成されています。

  • 「過去の自分」(就職する以前、学生時代の価値観、人生観)
  • 「未来の自分」(将来、こうなりたいと想像した自分)
  • 「障壁」(「未来の自分」へ向かう、「私」を妨げるもの)
  • 「原動力」(「未来の自分」へ向かう、「私」を後押しするもの)

キャリアデザイン・プログラムの構造

参加した社会人の多くが、もやもやした将来像が明確になった、あるいは、既にこうなりたいと思っていた像が再確認されたとの評価を出しています。また、このプロセスを通じて、ほかの参加者との対話から、新たな選択肢を広げるヒントやアイデアを得ることができたと、ほかとの対話の大切さも学ぶという副次的な成果も述べられています。

筆者は、今の学生が、彼らのキャリアについてどのような認識を持っているのか、大変興味を持っていた処、福岡のNPO法人学生ネットワークWAN (http://kg-wan.net/)の協力を得て、8月23日(金)、公開ワークショップ(4時間)を実施しました。これには、九州大学、福岡大学、久留米大学、佐賀大学、西南学院大学、福岡工業大学の学生(2~3年生が中心)など20名が参加してくれました。

写真はその時のワークショップの様子です。

写真:ワークショップ

彼らの生の感想は次のようなものでした(一部抜粋)。

  • 今回の講習を受けて、自分の今後のキャリア形成について、ブロックを使い実際に「形」を作ることにより、自分のライフプランに対する課題やそれを乗り越えるためのプロセスが可視化でき、分かりやすく今後の自分のキャリアについて考えることができました。また、参加者それぞれが作ったブロックの色や形の意味合いについて参加者同士で議論することで、自分が無意識に選んでいたブロックの色や形に意味づけをし、自分の真に求めているものや将来あるべき姿が再認識できるとともに、色々な人の考えに触れ、自分の価値観を見直し、考え方の幅を広げることができたと思います。そして、何より私自身久しぶりにレゴブロックに触れることができ、講習をとても楽しく受講することができました。
  • 今回レゴシリアスプレイを体感してみてですが、自分の未来や5年後10年後の未来を想像してみた時にまだ漠然としていて、それが作品の形として表れました。他人から作品を見てもらった時にこれはなんですか?と問われると、答えられない自分がいました。今後、目標やキャリアを描くことを意識してやらないと実際に色んな行動をしても達成できないのではないかと危機感を憶えました。気づけたのでさらに意識して、目標やキャリアビジョンについて考えていきたいです。
  • 手を動かし続けてブロックを組み立てている中で、無意識の内にある部品を探していたことがありました。その部品こそ自分が求めているものであった夢や今の自分に足りないと思っていたものでした。無意識を意識的に行い可視化するということの大切さを学びました。 また、「信頼」という言葉についてブロックを選んだり、他人が作った夢を説明したりすることで、同じものを見ていても人によってその解釈はさまざまであることを改めて認識しました。チームで動いていくためには、活動の最初に言葉の1つ1つからしっかりと時間をとって議論をすることが1つのチームとして成功を収めていくためには必要不可欠なことであると感じました。これから新しいことをする際にしっかりと最初も大事にしていきます。
  • 今回は将来のビジョンを明確にすることはできませんでした。しかし自己との新しい対話の仕方を体感することができました。「無意識」で造ったものに「意味付け」をするという行為が、実は意味があるものだと学びました。私はどちらかというと感性的な人間で、頭で考えることが苦手なので、無意識からの意味付けを行っていこうと思います。それから自分が見えていなかった特性もありました。私はとにかく「人と変わっていたい」という想いが強いということです。それは、自分とのコンプレックスでもあるのでしっかりと向き合いたいと思います。

筆者は、消費材メーカーや人材系サービス企業の就職内定者、また、IT企業の新入社員との同様のワークショップに立ち会い、大学4年生やほやほやの新入社員が、自分自身、就職先の企業、社会を分離して、その中で自らのプロとして歩む姿勢や言動を伺ってきました。

前者と後者の差を観ると、「就活」は学生を社会人に鍛える機会にもなっているのではないかと思われます。

大学生の多くは、学業のほか、部活動、アルバイト、そのほかの社会活動にも従事しています。ただし、右の写真で例示されるように、自らのキャリアに本来関わる要素、部品とは、まだ「キャリアに関わる部品」として認知していないのでしょう。

一方、就職活動の中で、大学生は、自分のキャリアに関わる「部品」を意識して関わるようになるのではないか(企業で働く多様な階層の人、仕事に関わる専門書、社会の事象などと向き合う)。自分、企業、社会と分離してそれぞれの視点からキャリアを考える力や全体を俯瞰(ふかん)する視野も持つようになるのではないかと想像されます。

そうであるならば、私どものプログラムは、社会人のキャリア開発だけではなく、大学生の視点を上げ、視野を拡げ、また、身の回りの「部品」に気づく機会として貢献できるのではないかと思う次第です。

※LEGO, the LEGO logo, DUPLO, BIONICLE, MINDSTORMS, HEROICA and the Minifigure are trademarks and/or copyrights of the LEGO Group.

 

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