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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:働くモチベーションアップに繋がる職場コミュニケーションのポイント

【第2回】なぜ、あの上司は挨拶を返してくれないのか?

第1回では、伝わる挨拶でコミュニケーション回路を開くという話をしました。第2回では、少し違った観点から、人間関係の構築へ向けて重要となってくる挨拶のポイントについて考えてみましょう。

挨拶への思いは表裏一体

上司5名の方々に続いて、新入社員4名の方々にも半構造化インタビュー(注1)を行った結果、「現状でも特に不都合や不満はないが、もっと気持ちの良い挨拶ができれば、さらに良い雰囲気になり仕事がしやすい環境になる」と、どちらも思っていることが分かりました。

特に興味深かった点は、挨拶に関する思いが表裏一体をなしていたことです。例えば、「入社当初と挨拶の仕方が変わってきた」という印象は上司側だけではなく、新入社員側も持っていました。上司側が感じていた「新人が挨拶をだんだんしなくなっていく」というのは、裏を返せば「上司がだんだん挨拶を返してくれなくなっていく」ことであったのです。

新人対象のインタビューから、「最初は挨拶すると目を合わせて挨拶を返してくださる人数も多かったが(2/3以上)、だんだん少なくなっていった」「パソコンから顔を上げない人が増えていった」「最初1週間は丁寧に挨拶を返してくださり、気を遣ってもらっていると感じた」などの詳細が分かりました。

型どおりの挨拶では距離は縮まらない

上司の皆さんは2週目あたりから、徐々に通常の挨拶の仕方(状況に合わせた形式、頻度、タイミングなど)へ戻っていくことがうかがえます。そして、それに合わせて新人側の行動も変わっていくようです。これは、ポライトネス理論(注2)に関わることです。つまり上司側は、通常の挨拶へ戻すことで(結果的に)仲間うちであることを示したり、一致を求めたりしていることになります。そして、(無意識ではあっても)それを察知した新人側は、研修で受けるようなかしこまった挨拶ではよそよそしいと感じ、上司の人たちと同じような少しくだけた挨拶にしていくと言えます。

人間関係の構築において、教科書的な型どおりの挨拶をすれば良いかというと、そうではありません。大事なことは、心的距離を縮めていくことなのです。そのために、相手や状況に応じて挨拶の仕方を変えていくことは、「親しさを積極的に示したい」「相手との距離を近づけたい」という思いの現れです。ポジティブ・ポライトネスの観点から言うと、くだけた表現であっても、礼儀なのです。

挨拶変化期が改善のチャンス

ただし、この2週目あたりの変わり目では、注意が必要です。新人側は「緊張がとけてきた」「距離が縮まった」「仲間に入れてもらえた」と感じるまでに、「何か悪いことしたかな」「怒っているのかな」「ご機嫌が悪いのかな」「怖いな」と、不安感を持つ時期があることが分かりました。

アコモデーション理論(注3)の観点を踏まえて提案すると、この変化期に上司側が意識して「理想の挨拶」を実践すると良いでしょう。新人は、この会社やグループではどのようにふるまうのが慣習になっているのだろうかと、上司の反応に非常に敏感になっている時期だからです。そして、相手の挨拶の返し方に合わせていくようになるからです。職場の挨拶を改善したい場合、この時期に上司側から相手にして欲しい挨拶を行っていくほうが、研修よりずっと高い効果を得られることでしょう。

  • 注1)半構造化インタビュー
    大まかな質問項目のみを決めておき、回答者の答えによってさらに詳細にたずねていく簡易な質的調査法。
  • 注2)ポライトネス理論
    Brown, P & Levinson, S. (1987) Politeness: Some universals in language usage. CUP. 参照。
  • 注3)アコモデーション理論
    Giles, H., & Ogay, T. (2007). Communication accommodation theory. In Mahwah, N. J. (Ed.), Explaining communication. Lawrence Erlbaum Associates, pp. 293-310. 参照。
  • ※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
  • 「働き方改革」サイトへ

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