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戦国武将に学ぶBizスタイル

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第22回 「大吉の武将」 ~石田三成(いしだ みつなり)~

石田三成

これほど毀誉(きよ)を半ばにする武将はいない。豊臣秀吉の元で小姓から奉行筆頭格へと栄進(えいしん)し、徳川家康に対抗した関ヶ原合戦に敗れた石田三成である。本邦の高級官僚の先がけのようなこの人物、天下統一事業の基盤を築く庶政(しょせい)の才はあるが、人心を糾合(きゅうごう)する徳望(とくぼう)に欠けていた、というべきか。

明治期、軍事指導に来日したプロシア(ドイツ)陸軍将校メッケルは、関ヶ原での両軍の布陣を見て「なぜ西軍(三成方)が負けたのか」と不審がったという。地形、戦闘人員、陣構えから「西軍の勝利は疑いなし」と見立てたのだが、この天下分け目の戦いは開戦からわずか6時間後、あっけなく東軍が勝利したのだった。

東軍7万5千余、西軍9万余の約17万人が対峙した関ヶ原。西軍は「陣構え」で明らかに優位であったが、しかし「心構え」においては烏合(うごう)の衆であった。

三成が掲げた大義(たいぎ)は豊臣政権の守護と秀頼の世襲である。にも関わらず、陣の主力は、毛利、宇喜多、島津、小早川、吉川、長宗我部ら外様(とざま)が大半だった。一方、秀吉の子飼いとして真っ先に西軍に組みするはずの福島、加藤、黒田、浅野、細川、藤堂ら豊臣家譜代(ふだい)は、家康の調略(ちょうりゃく)もあって東軍に従った。

しかも、西軍で死力を尽くしたのは三成ほか宇喜多秀家、小西幸長、大谷吉継の3万2千人ていど。総大将の毛利輝元は大坂城にいて、代理参陣の毛利秀元は傍観(ぼうかん)して動かず、さらに吉川広家は毛利家の安堵(あんど)を条件に不戦の密約を家康と交わし、小早川秀秋にいたっては最終局面で寝返り、西軍の敗北を決定づけた。

三成の旗印は「大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)」。「大」とは天下を表わし、よって「天下のもと、一人が万人のため、万人が一人のために尽くせば、天下太平の世が拓かれる」の意である。が、乾坤一擲(けんこんいってき)の闘いは旗印から程遠く、惨敗だった。呉越同舟(ごえつどうしゅう)、同床異夢(どうしょういむ)の集団に、勝利など望むべくもない。信念なき者は目先の利欲と保身で動くものだ。

秀吉の天下統一事業に随伴(ずいはん)し、施政官(文治派官僚)として検地、刀狩り、徴税、外交、兵站(へいたん)に辣腕(らつわん)を振るった石田三成。

しかし、いつの世も権勢(けんせい)は人を奢(おご)らせ謙譲(けんじょう)の志を忘れさせてしまう。三成も関白秀吉の武威(ぶい)と権威を、己れの実力と錯誤(さくご)したのだろう。盟友の大谷吉継はそれを危惧して「貴殿は諸人に対し、ことのほか、へいかい(横柄)とて、諸侯をはじめ末々の者までも日頃悪しく取りざた仕る由なり」(*)と忠告するが、日頃の「横柄(おうへい)な口のきき方や態度」が、結局は秀吉恩顧(おんこ)の武断派の離反と、関ヶ原での奇妙な敵対関係そして挫折を招くことになる。

敗者に冷淡なのは歴史の常だが、三成が旗印に込めた「大一大万大吉」の思想は皮肉にも徳川政権で実現する。主従の忠義道徳観念、文治派吏僚(りりょう)による幕藩体制の確立、である。

徳川光圀(家康の孫)が「三成は憎(にく)からざるもの也。人それぞれにその主(あるじ)の為と云う義にて、心を立て、事を行うもの、敵なりとて憎むべからず。君臣ともによく心得べきことなり」と称えたのが、せめてもの救いと言えようか。

石田三成の掲げた大義そのものに邪念はなく、合戦の動機はあくまでも清潔であったが、権勢に奢り、謙譲の志を忘れた「大一大万大吉の武将」から学ぶものは、今のBizスタイルにおいても多いのではないだろうか。

*
家康討伐の密謀を打ち明けた時の吉継の言葉。(三成は)言葉や態度が横柄で傲慢だと、日頃から諸大名や将兵たちが陰口を交している。総軍の和を保つためにも毛利と宇喜多を立てて、あまり表に出ないほうがいい、と説いた。

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