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経理部門向けお役立ちコラム

新収益認識基準における契約結合の管理の進め方(第三回)

新収益認識基準における契約結合の管理の進め方(第三回)

III.課題の調査、検討方法(続き)

6.現行業務とのギャップを把握

このような現行業務フローとあるべき業務フローとの差異を把握したうえで、販売管理システムや会計システムで納品・サービス提供単位と売上計上データを別の単位で持つことの可否、請求済み未売上・入金済み未売上の管理の可否を検討する必要がある。また、システムで対応できない場合に、エクセル等のワークシートでシステム外の管理をすることが実務上許容可能な負荷の水準かを検討する必要がある。

7.システム改修のための社内承認

プロジェクトを進めるうえで、システム改修の方向性が明らかになったこの時点で、システムの改修や業務フローの改善プランを作成し、社内の合意をとることが一般的と考えられる。この際、システム改修のための予算の承認を伴うこともあるため、具体的なスケジュール、外部のシステム会社・コンサルティング会社の必要性、コスト感、改修後の業務フローの概観などを準備し、社内説明に必要な要素を整理する必要がある。

8.システム改修・業務フローの変更

新収益認識基準に従った新たな業務フローとシステム要件が固まったら、他の論点も含めてシステム改修や業務フローの整備を行う。システム改修については、社内の情報システム部門が行うケースと外部のシステム開発会社に依頼するケースの両方が考えられるが、新収益認識基準に合致する業務の要件をプロジェクトチーム内で固めて情報システム部門やシステム開発会社に依頼することが重要となる。また、実際にシステム改修を行い、ユーザーテストの段階で営業部門や経理部門が関与し、新収益認識基準の要件に従った結果になるかを確認することが重要である。

9.J-SOX上の対応を検討

契約の結合に関する取引が企業にとって重要であれば、契約の結合を判断する過程や売上計上の単位を集約する過程におけるコントロールがキーコントロールとして選定される可能性がある。この際、契約の結合対象となる取引が全売上に占める割合や不正が生じるリスクを勘案してキーコントロールにすべきか否かを判断する必要があり、事前に内部監査室や監査法人との意見調整を行っておくことも重要である。

10.現場教育・トライアルの実施

本番運用の前に、関係する従業員向けの説明会を実施し、予算策定や売上計上ルールの周知やトレーニングを実施する必要がある。また、少なくとも1カ月から3ヵ月程度の並行稼働を行い、新たな業務・システムフローで取引データを流して、契約の結合を行った場合の売上が想定どおりに計上されるかテストする必要がある。これにより、当初想定したとおりの売上数値にならない、請求済み未売上の残高があわないなどの不具合を発見し、本番導入前までに改善することが必要である。

IV.運用上の留意点

1.新収益認識基準に基づく業績管理

現行業務では、契約の単位で売上が計上されていることが多いため、契約に基づく納品を基準として予算を設定し、実績を集計することが多いと考えられる。これに対し、新収益認識基準により契約の結合が行われる場合、新たな予算の設定についても履行義務の単位(複数の契約結合後)で予算を見込む必要がある。

つまり、従来であれば、契約に基づく納品が完了した時点で売上計上できていたものが、新収益認識準ではその期の売上とならないようなケースが生じてくる。そのため、予算策定の時点から、業績の責任を持つ部門と調整し、実績集計のタイミングの齟齬がないようにしなければならない。また、予算作成段階では売上計上基準が変わることを理解していても現場に周知されていなければ、期末のタイミングで、昨年であれば計上できた売上が当期は計上できないといった混乱にもつながりかねないため、現場への周知も重要になってくる。

終わりに

本コラムでは「契約の結合」を特に取り上げたが、本論点に限らず、新収益認識基準は、業務フローの変更、システム改修、予算編成方法の変更など、経理部門だけではなく全社に大きな影響を与えうる論点を多く含んでいる。経理以外の部門との交渉・調整が必要になることも多いと考えられるため、自社への影響度の測定および対策の検討については、基準の適用開始直前ではなく、可能な限り早期に着手することが重要である。

筆者のご紹介

舟山 真登(ふなやま まさと)氏

グローウィン・パートナーズ株式会社
コーポレートイノベーション部 部長
舟山 真登(ふなやま まさと) 公認会計士

2005年 監査法人トーマツ入所。東証一部上場企業をはじめ、幅広い業種・規模の企業に対する法定監査業務、内部統制監査制度の導入支援業務、IFRS導入支援業務に従事。
2015年 当社入社。上場企業グループの経理BPR、経理業務アウトソーシング体制の構築、経理業務のRPAによる自動化等の各種プロジェクトのプロジェクトマネージャーを多数担当。
2017年 コーポレートイノベーション部 部長。Accounting Tech®Solution事業を推進し、上場企業向けに、財務経理部門の働き方改革の支援、PMI(Post Merger Integration)プロジェクトの支援、経理BPOサービスなど、多くの案件を手がけるほか、専門誌の執筆やセミナー講師を多数実施。

企業概要(グローウィン・パートナーズ株式会社)

https://www.growin.jp/

「プロの経営参謀」としてクライアントを成長(Growth)と成功(win)に導くために、①上場企業のクライアントを中心に設立以来400件以上のM&Aサポート実績を誇るフィナンシャル・アドバイザリー事業、②「会計ナレッジ」・「経理プロセスノウハウ」・「経営分析力」に「ITソリューション」を掛け合わせた業務プロセスコンサルティングを提供するAccounting Tech® Solution事業、③ベンチャーキャピタル事業の3つの事業を展開している。
大手コンサルファーム出身者、上場企業の財務経理経験者、大手監査法人出身の公認会計士を中心としたプロフェッショナル集団であり、多くの実績とノウハウに基づきクライアントの経営課題に挑んでいる。

※コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
※本コラムは、2018年12月05日に掲載されたものです。

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