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経理部門向けお役立ちコラム

新収益認識基準における契約結合の管理の進め方(第二回)

新収益認識基準における契約結合の管理の進め方(第二回)

III.課題の調査、検討方法

1.検討のためのロードマップ作成

新収益認識基準は2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から強制適用となる。そのため、その半年前までに業務・システム対応まで含めて準備が完了し、一定のトライアル期間を設けることが理想といえる。このトライアル実施に向けて影響調査、課題把握、課題対応実施、運用準備の各ステップを踏んでいくことが必要と考えられる。これは、契約の結合だけでなく新収益認識基準への対応全体にとって重要である。

2.結合すべき契約の抽出

全体のスケジュール決定後、契約の結合の対象となる取引を洗い出す必要がある。そのため、受注データをもとに対象となる可能性のある取引を絞り込んでいくアプローチと営業現場に対して実態が一つだが敢えて契約を分割している取引の有無をヒアリングするアプローチの両軸での調査が有効と考えられる。

前者は全取引を対象として、同一取引先に対して同月内に受注しているデータから抽出していくことになる。後者は一連の開発や工事、受注生産等の取引に関して、現場の事情で意図的に契約書を分けているケースを直接的に抽出するためのアプローチである。特に、実質的に一連の取引を取引先の資金繰り等の関係で意図的に分割した契約としていることは多く、その場合、現場の方が当該契約を把握しているケースも多い。

3.現行業務フローの確認

契約の結合対象となる取引を把握した後は、当該取引がどのような業務フローで実施されているかフローチャートに落としこんでいきながら、現状の業務やシステム間のデータの流れを整理していくことになる。その際に、契約締結、受注登録、納品、売上計上・請求書発行、入金までの流れを整理すること、作業フローだけでなく、書類・データ・役務提供の流れを整理することがポイントとなり、後のあるべき業務フローとのギャップ把握の材料とする。

4.あるべき処理方針の検討

現行業務を把握した後に、契約の結合対象となる取引が、どのような売上計上の単位になり、認識のタイミングがいつになるのかを検討する。この際には、担当の監査法人とも十分調整のうえで売上計上単位とその認識タイミングを決定し、事前合意を行っておく必要がある。

5.新収益認識基準における業務・システムフローの検討

(1)受注登録から債権消込までのデータフローを検討
現行業務フローとあるべき処理方針が確定したら、具体的にどのように受注データを生成し、納品・サービス提供データから売上データを生成するかを検討する必要がある。

(2)複数の契約データを会計システムに連携する際に集約
前述の通り、現行業務では契約の単位、納品・サービス提供単位、売上計上単位が一致しているケースが多かったと考えられるが、新収益認識基準においては、売上データについて、複数の契約単位を履行義務の単位で集約する必要があることに注意すべきである。そのため、業務やシステムフローの中で複数の契約単位を集約させる必要があると考えられる。

(3)請求済み未売上・入金済み未売上の管理
契約の結合を行い、会計処理を行う場合、新収益認識基準に基づく売上を計上する前に契約に基づく代金請求が行われ、入金済みとなるケースも考えられる。図表2のように、契約がA、Bと複数あるものの、二つの契約を合わせて単一の履行義務となるような場合、契約Aに基づく納品と請求のみを行った時点では履行義務は完了していないため請求済み・売上未計上であり、契約Bの納品(=履行義務の完了)をもって売上計上される。このように、請求済みであるものの売上が未計上の取引を把握し、結合後の契約全体の義務を履行したタイミングで未請求の契約分を請求する。また、代金の入金が先行した場合、代金の入金はあるものの売上未計上の取引金額を受領時に仮受金として処理し、決算時に前受金に振り替える処理が必要になると考えられる。

売上計上前に納品・入金がある場合の業務フロー

【図表1 売上計上前に納品・入金がある場合の業務フロー】

筆者のご紹介

舟山 真登(ふなやま まさと)氏

グローウィン・パートナーズ株式会社
コーポレートイノベーション部 部長
舟山 真登(ふなやま まさと) 公認会計士

2005年 監査法人トーマツ入所。東証一部上場企業をはじめ、幅広い業種・規模の企業に対する法定監査業務、内部統制監査制度の導入支援業務、IFRS導入支援業務に従事。
2015年 当社入社。上場企業グループの経理BPR、経理業務アウトソーシング体制の構築、経理業務のRPAによる自動化等の各種プロジェクトのプロジェクトマネージャーを多数担当。
2017年 コーポレートイノベーション部 部長。Accounting Tech®Solution事業を推進し、上場企業向けに、財務経理部門の働き方改革の支援、PMI(Post Merger Integration)プロジェクトの支援、経理BPOサービスなど、多くの案件を手がけるほか、専門誌の執筆やセミナー講師を多数実施。

企業概要(グローウィン・パートナーズ株式会社)

https://www.growin.jp/

「プロの経営参謀」としてクライアントを成長(Growth)と成功(win)に導くために、①上場企業のクライアントを中心に設立以来400件以上のM&Aサポート実績を誇るフィナンシャル・アドバイザリー事業、②「会計ナレッジ」・「経理プロセスノウハウ」・「経営分析力」に「ITソリューション」を掛け合わせた業務プロセスコンサルティングを提供するAccounting Tech® Solution事業、③ベンチャーキャピタル事業の3つの事業を展開している。
大手コンサルファーム出身者、上場企業の財務経理経験者、大手監査法人出身の公認会計士を中心としたプロフェッショナル集団であり、多くの実績とノウハウに基づきクライアントの経営課題に挑んでいる。

※コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
※本コラムは、2018年11月05日に掲載されたものです。

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