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経理部門向けお役立ちコラム

知っていますか?「不適切会計」(前編)

知っていますか?「不適切会計」(前編)

はじめに

本コラム(前編・後編)では、昨今メディアで目にする機会の多い「不適切会計」について解説していきます。そもそも、不適切会計とは何か?それはなぜ起きるのか?防止する手段はあるのか?など、経理部門・財務部門のみなさまが最低限知っておくべきポイントに絞ってご説明していきます。

「不適切会計」と「不正会計」「粉飾決算」は何が違う?

不適切会計という言葉が一気に注目を集めたのは2015年です。東証一部上場のある大手企業が、証券取引等監視委員会から報告命令を受けたことをきっかけに、問題のある会計処理が明らかになりました。このことをメディアが「不適切な会計処理」と報じたことで、不適切会計という言葉が一般的に認知されるようになりました。

この時、多くのビジネスパーソンが、不適切会計とは「不正会計」や「粉飾決算」と一体何が違うのか?という疑問を持ったと思います。日本公認会計士協会は、不適切会計を以下のように定義しています。

「意図的であるか否かにかかわらず、財務諸表作成時に入手可能な情報を使用しなかったことによる、又はこれを誤用したことによる誤り」

(引用元:監査・保証実務委員会研究報告第25号 不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について)

「意図的であるか否かにかかわらず」と書かれているように、不当に利益を得るため他人を欺く意図的な不正行為も、単純なヒューマンエラーや誤解によるミスも、正しい会計処理ではないという意味で不適切会計に内包されるというのが日本公認会計士の公式見解です。不正会計や粉飾決算は、不適切会計の一部というわけです。

不適切会計

不適切会計の発生件数は毎年増加している

不適切会計

(引用元:株式会社東京商工リサーチ:2016年1-10月全上場企業「不適切な会計・経理の開示企業」調査

不適切会計の発生件数は増加の一途を辿っています。東京商工リサーチは、不適切会計を開示した企業の調査報告を毎年行っていますが、調査開始の2008年には25社25件だったものが、最新2016年調査では57社58件と過去最高の発生件数となり、2008年の2倍以上に増加しています。

最新調査の内容を大別すると、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が25件(構成比43.1%)で最多。次いで、業績目標を達成するために意図的に不適切会計を行った「粉飾」が24件(構成比41.4%)、役員や従業員による「着服横領」が9件(構成比15.5%)となっています。

不適切会計が毎年増加している理由

不適切会計は、なぜ年々増加しているのでしょうか。以下にあげる要因が複合的に絡み合っていることがその背景にあると考えられます。

(1)リーマンショック時の不適切会計が露見

2008年に発生したリーマンショックにより、日本経済は大幅な景気後退に突入しました。これによって発生した大幅な売上や利益の減少を不適切会計によって隠蔽したものの、その後も景気が回復せずさらなる粉飾を重ね、後年その不正が露見する企業が後を絶たない、というケースが考えられます。

(2)監査の厳格化

企業の不適切会計によって社会的・経済的に大きな問題が発生すると、その都度、監査の信頼性確保が強く求められ、新たなルールの策定や監査手続きの強化が図られてきました。監査基準の強化により、これまで見過ごされてきた不適切会計が発覚すると、それをきっかけにさらなる監査基準の強化が行われ、また新たな不適切会計があぶり出される、という流れが継続していると考えられます。

(3)経済のグローバル化

国内企業が保有する海外子会社には監査人の目が届きにくいため、不正取引の温床になりがちです。経済のグローバル化により、国内企業が海外子会社等を通じて国外取引を行う機会がますます増えたことで、子会社・関係会社が当事者となる不適切会計の発生が年々増加しています。

不適切会計は「対岸の火事」ではない

リーマンショックに端を発する不適切会計の膿はそろそろ出尽くすものと考えられますが、その他の要因は今後ますます影響を強めていくと予想されるため、不適切会計の発生は今後も高止まりして推移していくことでしょう。

さらに、今後企業の経理部門・財務部門における人手不足が深刻化すると、時価会計や連結会計など高度な会計手続きを行う企業はその処理についていけず、意図的ではない不適切会計が増加していく可能性もあります。

不適切会計は、決して自社に関係のない世界で起こる「対岸の火事」ではありません。経営環境の変化によっては、いつ、どの企業においても発生しうる、経営リスクの一つといっても過言ではないのです。

(後編へ続く)

[福地 晃弘 記]

※コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
※本コラムは、2017年8月16日に掲載されたものです。

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