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このたび「社長改善賞」という形で表彰を受けることになりました。

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。(「天成」は「TENSUITE」の旧パッケージ名です。)
※本事例に記載の商品情報は初掲載時のものです。

  • 業種一般機械器具製造業
  • 特長製造番号ごとの原価管理

総合印刷システムを提供されている東機エレクトロニクス株式会社様(以下、東機エレクトロニクス様)。同社が生産管理ERPに取り組むようになった経緯などについて、お話を伺いました。

(お客さま概要)

東機エレクトロニクス株式会社様について

東機エレクトロニクス様 ビル外観

東機エレクトロニクス株式会社様(以下、東機エレクトロニクス様)は、株式会社東京機械製作所(TKS)グループのIT(情報技術)部門の中核を担い、総合印刷システムを提供する企業です。

IT、エレクトロニクスを駆使し、新聞印刷や商業印刷に欠かせない印刷システムを中心に、ソフトウェア制作およびハードウェアの開発・製造を行っていらっしゃいます。

基本情報

お客さま名 東機エレクトロニクス株式会社
業種(細分類) 印刷・製本・紙工機械製造業
従業員数 73名

(導入の背景)

導入の背景・課題

―東機エレクトロニクス様が生産管理ERPに取り組むようになった経緯を教えてください。

(落合氏):ERPという意味では、今回の「天成」がはじめてですね。業務のシステム化という意味では、10年ぐらい前から、資材の在庫管理をMS-DOS版のあるパッケージソフトで行っていました。そのシステムは1999年ごろにWindows版にバージョンアップしました。

―そのシステムから「天成」に切り替えた理由は何ですか?

(阿部氏):そのシステムでは、在庫管理のみをやっていましたが、もっと総合的に生産管理もシステム化するべきだという気運が社内で高まってきたのです。それまでの当社の生産管理は、ベテラン社員が、自分の頭の中のノウハウに沿って、目分量とカンと経験を駆使し、途中何かあっても最後には帳尻を合わせてしまうという世界でした。このベテランのノウハウは非常に貴重なものです。しかし長い目で考えた場合、そればかりに頼っていてはいけないだろう、もう少し客観的に生産しなければならないだろうと思えたのです。

(パッケージの選定)

パッケージの選定

製造番号ごとの原価管理が絶対に必要でした

―システム選定にあたり、色々と比較検討なさったと思います。製品候補はどうやって探したのですか?

(落合氏):ネットで検索したり、展示会に出かけたりして調べました。「天成」については、展示会で知りました。いくつかシステムが展示されていましたが、「天成」がいちばん良いと思えました。

―どのような規準でそう思ったのですか?

(落合氏):消去法に依った部分もあります。まず予算については、当社ぐらいの規模の会社ですと、『出せる上限』というのが自ずと見えますから、そこを著しく逸脱するような、“高性能なのかもしれないけれど法外な価格の製品”については、はじめから選外としました。

―機能面においてはどのような規準があったのでしょうか?

(岩淵氏):私は、業務部で、受注管理、原価計算などを担当しています。原価計算については、「製造番号ごとの管理」というのが必須条件でした。ですので各ブースでは、そういうことができますかと、まっすぐに聞いて回りました。当社は、新聞輪転機まわりの周辺機械を作っている会社なので、“製造一回ごとの原価計算が可能”という条件は必須でした。

―なぜそういう条件が必須だったのでしょうか?

(岩淵氏):これは弊社の業種業態のせいです。製造業と一口にいっても、各社ごとに様々な業態があり、その違いに応じて原価計算も変わります。たとえば小規模の規格品を1000個、2000個作るような業態の場合は、原価計算は、製品品目ごとの一個当たり標準原価に個数をかければ分かります。でも弊社では、残念ながらその手は使えませんでした。

―どうして使えなかったのですか?

(落合氏):当社が製造しているのは、新聞印刷機械、つまり輪転機の周辺機器です。新聞の印刷機械の仕様は、新聞社ごと工場ごとで必ず異なっています。ですから単一の規格品をコピー製造して納品することは、まず不可能であり、実際には、各新聞社の要望を細かく聞きながら作る、ほとんど受注生産の世界になります。“規格品製造のようで実際には受注生産”という形態が何を意味するかというと、毎回の製造ごとに必要となる部材・資材の種類や個数が異なるということを意味します。ですから、毎回の製造ごとに製造番号を振って、それを規準に原価計算する必要があるのです。

T-NPC

―なるほど

(落合氏):例えばT-NPCという一つの製品があったとして、それの今回製造と、次回製造とでは、原価が異なります。ということは自然の流れとして、毎回の製造に番号を振って、それを単位として原価計算をするほかありません。それができないのではそもそも原価管理が成り立ちません。

―確かにそうですね。

(岩淵氏):そういう事情があったので、展示会においては、「製造番号ごとの原価管理はできますか」と率直に聞いて回ったのですが、「できますよ」とちゃんと答えてくださったのは「天成」のブースだけだったのです。ということで、「天成」が候補となりました。

(システムの導入)

システムの導入・構築

"徹底カスタマイズ可能"というのは一見ラクに見えて実はそうでもないだろうと思いました

―最終的には何社が候補に残ったのですか?

(落合氏):それまで使っていたシステムの会社であるA社、とびこみで営業してきたB社、そして「天成」の日立システムズさんの三社が候補に残りました。まずA社については、在庫管理機能はあっても生産管理機能がなかったので、はやばやとあきらめました。次にB社ですが、こちらは価格がまあまあ値ごろであるにも関わらず、「東機エレクトロニクスの都合に合わせ、徹底したカスタマイズに応ずる」との提案があり、魅力的に思えました。

―「自社の都合に合わせ、徹底したカスタマイズに応ずる」…確かに魅力的です。なぜこのB社が採用されなかったのでしょうか?

(落合氏):それについては、主に阿部取締役の判断に依るものです。(阿部氏):私は、展示会などには行っておりません。ですから部下が大雑把に選定してくれた三社を見比べるという立場でしたが、ざっと見比べた第一印象としておそらく「天成」がいいだろうなと思えました。

―なぜそのように考えたのでしょうか?

(阿部氏):「天成」は、基本パッケージがまずあって、そこに細かなカスタマイズを加えていくという基本設計でした。その方が当社に向いていると思えたのです。「徹底カスタマイズ」という提案は、一見、ラクに見えて、実はそうでもないだろうと思ったのです。

―と言いますと?

(阿部氏):そういうやり方の場合、仕様を指示するこちら側によほどの実力が必要になります。少し気を抜いて変な指示をしたが最後、現場で使えないような物が出来上がってしまいます。「これはしまったなあ。こんなつもりじゃなかった」と悔やんでいるうちに、1年や2年はあっという間に経ってしまいます。それはよろしくない。

―そこで「天成」の方にしたと。

(阿部氏):そういうことです。「天成」というのは製造業向けERPなのであり、製造業の基本はしっかり押さえられている。また必須条件である“製造番号ごとの原価管理”もできるという。そうであるならば、90%は達成されたも同然であり、この部分は日立システムズさんに素直におまかせした方がよい。我々は、残りの10%をSEさんと一緒にカスタマイズで組み上げていく。この方式が当社には合っているだろうと思えました。

(阿部氏):もう一つ印象に残った点として、「天成」のパンフレットが良かったですね。

―と言いますと?

(阿部氏):普通のIT製品のパンフレットですと、派手なばっかりで意味不明なカタカナが並んでいるのですが、「天成」の方には、われわれ製造業が使うのと同じ言葉が書いてありました。ああ、この会社なら、製造業の会話がちゃんとできそうだなと思えました。その後、日立システムズさんにデモを見せていただく機会がありましたが、その時もやはり同じような感想を持ちました。

―具体的にはどのような感想だったのでしょうか?

(阿部氏):デモのSEの方がたいへん真面目で謙虚な印象でした。私もシステム畑の出身なので、システムについては自分なりの選択眼があるつもりですが、それに沿って言いますと、SEというのは実力者やベテランならいいというものではないと思います。やはり、一緒に率直に話をしながら真面目に取り組んでいけるような、まじめな人間性を持つSEが良いSEだと思います。ということでこのデモを見た段階で、私の内心では、「天成」でいこうとほぼ決めておりました。

―「天成」は価格的にはいかがでしたか?

(落合氏):実は、「天成」の価格は、われわれが最初に想定していた予算より2割ぐらい高かったのです。しかし、長期的な視点で考えた場合、“これだけのことができるのならこの価格は妥当だ”と判断できたので、よし「天成」でいこうと結論を下しました。

(導入効果)

導入効果

エクセル管理も悪いことばかりではありません

―「天成」導入後の効果はいかがですか?

(落合氏):『一気通貫性』が増したのは非常に良くなった点です。今ですと、例えばT-NPCの注文を受けた場合も、注文書入力をいたしますと、そこから購買担当の方にデータが行って、資材の購買業務が始まり、その購買データは、原価データとして経理の方に受け渡されます。これら一連の作業が、帳票を二重化や転記を発生させず、一元的に滑らかに進むようになったのは非常な改善です。

―かつては生産管理はどうやっていたのですか。

(落合氏):昔は、Excel手入力でやっていました。ExcelはExcelで自由度があっていいのですが、でも購買や経理も含めた一気通貫というわけにはいきません。また各種帳票にしても、Excelデータを元にいちいち起こしていましたが、これだとやはりミスがおきやすい。「天成」では帳票は自動出力されるのでこうしたミスはおきなくなりました。

―「天成」の導入で“Excel管理”は一掃されたということですね。

(落合氏):いえ、そんなこともありません。そもそも“Excel管理”が悪いことばかりかというと、そんなこともないと思います。あれはあれで柔軟性があって良いものです。実は「天成」を選んだ理由の一つとして、Excelデータとの接続が柔軟に出来ることもあったのです。

―ということは今でも現役のExcel管理があるのですか?

(落合氏):ありますよ。例えば、原価管理の一環として、技術者が何の作業に何時間関わったのかということを記録しなければなりません。これについては現場でExcel入力させています。以前からそうですし、「天成」導入後の今もExcelシステムのままです。

(阿部氏):これについては、こちらの宮内さんが、そのExcelデータをいろいろな切り口で集計するプログラムを作ってくださいました。このプログラムは非常に柔軟で便利なものなので、『天成』を導入した後も捨てたくありませんでした。そこで日立システムズのSEさんと協議して、データのインターフェースを調整し、これにより、既存Excelシステムをそのまま使う事が出来るようになりました。

(宮内氏):調整したのは『天成』とのデータ受け渡しの部分だけであり、入力インターフェースはまったく変わっていません。現場の人は、背後に『天成』がいることにすら気づいていないと思います。

―現場の方がシステムを意識せずに運用できるというのは、理想的な姿かもしれませんね。

(まとめ)

まとめと今後の展望

―最後に、日立システムズに対してひとことお願いします。

(阿部氏):こうした微調整の部分を始めとして、日立システムズのSEさんは色々な事を本当に良くやってくれたと思います。おかげさまで、当社の生産管理業務は非常に改善され、その功績が社内でも認められ、このたび「社長改善賞」という形で表彰を受ける事になりました。まず日立システムズの皆様にはこの場を借りて感謝申し上げます。われわれとしては今後も天成を用いた業務改善をさらに進めていく所存ですので、日立システムズの方もより優れたシステムを開発し、私たちに知恵を提供してください。期待しております。

お客さまについて

東機エレクトロニクス株式会社様

社名
社名 東機エレクトロニクス株式会社
設立
1987年4月1日
本社所在地
東京都港区芝5-26-24
東京機械製作所本社ビル
URL
http://www.tkel.co.jp/

今回導入のシステム

今回導入のシステム TENSUITE 製造業向け基幹業務システム
クライアント数 7

取材および写真撮影にご協力いただいたお客さま、ご協力ありがとうございました。

取材日:2005年7月

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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