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専門家コラム:人を活かす心理学

【第4回】オレとオマエはA型同士!?~血液型性格分類の信ぴょう性~

日本人は血液型性格分類が好き?

あなたとはA型同士だからウマが合う、一緒に仕事がしやすい血液型の組み合わせがある─。血液型によって性格に違いがあると信じている日本人は多いようで、職場や学校、同好のサークルなどでもよく話題に上ります。いわゆる血液型性格分類ですが、日本では今日までしばしばブームが繰り返されてきています。そのたびに根拠薄弱として専門家からは否定されるのですが、それでもしばらく経つとまた現れ、なかなか終息することがありません。

園児の上着を血液型で色分けした幼稚園(血液型がわかればその子の性格もわかるので指導がしやすい)、血液型でプロジェクトチームを組んだ会社(性格の合わない血液型の人はチームに入れない)、履歴書に血液型の記載を求めた会社などなど、血液型性格分類にまつわる話題は過去にも多くあります。最近では、血液型によって相手の性格を判断し、判断された本人に不快な思いをさせるような言動に対して、ブラッドタイプ・ハラスメント、略してブラハラという言葉も生まれています。

こうしたブームの背景には、血液型によって異なる性格タイプが存在するという信念が存在していると考えられます。血液型と性格の間には何らかの関係が存在すると信じている日本人が、少なくないようです。日本以外の国々では、日本のブームの影響を受けた一部アジア地域を除けば、こうした血液型性格は全くといってよいほど話題になることはありません。なぜ日本だけで血液型性格が言いはやされるのでしょうか。

 『「血液型と性格」の社会史』(松田薫著 1991 河出書房新社)によれば、明治末年ドイツに留学した日本人医師の原木復(はら きまた)が、当時発見されたABO血液型の知識を学んで持ち帰り、郷里の長野県で行った血液型調査が、そもそもの始まりでした。当時のドイツでの研究では、「西欧人はA型が多く、動物にはB型が多い。そして日本人や中国人にもB型が多い」ということで、血液型によってアジア人の劣等性と西欧人の優越性を論じる風潮が出てきました。血液型の分布研究をきっかけに、日本では陸軍が「強い兵隊」の編成という観点から血液型に関心をいだき、また犯罪者の血液型、優秀な生徒の血液型といったことへの関心を生み、やがて血液型と性格の間になんらかの関係を見いだそうとする研究の流れが出てきました。多くの研究はその関係を否定しましたが、やがて1970年代に入り、能見正比古氏の大衆向け書籍をきっかけに、血液型性格占いや血液型性格診断が爆発的に流行しました。
このように、日本では血液型性格分類ということへの関心は非常に古い歴史があるということになります。

血液型性格分類の信ぴょう性

では血液型性格分類には信ぴょう性があるのでしょうか。筆者は以前、17歳から31歳までの男女約300名を対象に、こんな実験を行ったことがあります。まず対象者を血液型で分けて、その血液型に見られる「代表的な性格特徴」を読んでもらい、その特徴が自分の性格にどれくらいあてはまるかを評定してもらいました。実はここで使用した性格特徴は、血液型にかかわらずすべて同じ内容であり、対象者にはもちろんそのことを知らせず、自分の血液型に見られる代表的な性格特徴として評定してもらいました。分析の対象としたのは、回答に非常に自信がある~どちらかといえば自信があると答えた201名でした。

結果は興味深いものでした。まず、記述と自分の性格とが一致するかどうかについては、「ぴったり一致している」と「かなり一致している」までで全体の71%、「どちらかというと一致している」まで入れると、回答者の91%が、程度の差はあれ記述が自分の性格と一致しているとみなしました。

また、その記述が自分の血液型性格(A型ならA型性格といわれるもの)を代表しているかどうかについては、「A(B・AB・O)型性格そのものである」「かなり近い」を合わせると52%、「どちらかといえば近い」まで含めると68%と、全て中身は同じであるにもかかわらず、回答者のほぼ7割が自分の血液型に合致した記述であるとみなしました。
さらに、血液型と性格との間に関係があるかどうかを聞いた質問では、「非常に関係があると思う」から「どちらかといえば関係があると思う」まで含めると65%の人たちが、両者の間に関係があると考えていることがわかりました。これらの結果は男女を問わず同じ傾向であることも確認されました。

つまり、血液型の違いに関係なく、提示された記述内容が自分の性格と一致していると答えた人、およびその記述が自分の血液型性格の特徴を表していると答えた人が圧倒的に多かったということです。この結果からは、血液型性格と呼ばれるものが実は曖昧なものであるにもかかわらず、多くの人たちがそれを信じる傾向のあることがうかがわれます。

筆者の実験では同じ内容の性格特徴を記述した材料を用いましたが、ある研究者はこんな実験を行っています。血液型性格や血液型占いといった本に出ている「この血液型の人はこんな特徴がある」という、それぞれの血液型に最もよく見られるとする代表的な性格特徴を記述した材料を用意します。これをそれぞれの血液型の人たちに提示し、それがどの程度当たっているかを判断してもらうのですが、実は材料は入れ替わっていて、たとえばA型の人にはO型の特徴とされる性格を記した材料を、O型の人にはAB型の特徴とされる性格を記した材料をというように、4つの血液型ですべて組み合わせを変えて提示します。結果は、7割近くの人がその記述が自分の性格と一致していると判断しました。

遊びの範囲に留めることが大切

冒頭で触れたように、血液型性格(血液型と性格の間には何らかの関係が存在する)という主張は、科学的な手続きに基づく研究では根拠が見いだせないとして否定されています。ちまたで出回っている血液型性格の書籍を注意して読めば、どの血液型でも性格特徴には曖昧な記述(「普段は冷静だがときに腹を立てることもある」など)や、誰にでもあてはまるような記述(「前向きであることを肯定的にとらえる性格です」など)がちりばめられています。こうした記述を読むと、それが自分だけにあてはまる正確さをもっているように思えてしまうのです(これを「バーナム効果」といいます)。

相手の血液型を聞いて、『あ、私とは相性がよさそうですね』とコミュニケーションのきっかけにするといったことは、日常場面でもよく見られます。ただ、あくまでも遊びの範囲に留めておくことが必要であり、血液型と性格の間に科学的な関係があると考えることは危険です。間違った思いこみが相手に対する偏見を生んだり、仕事の機会を奪ったりすることにもなりかねないからです。また、そうした考えにとらわれることで、自分の行動を縛って窮屈なものにしてしまうことにもなりかねません。

好きな人が自分と相性のよくない血液型だといって、悲観する必要もありません。上司や部下とウマが合うのは血液型の相性によるわけでもありません。人生、自分の意思で前に進むことが大切、ということです。

※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

 
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