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株式会社コモダエンジニアリング様

2013年4月、「TENSUITE(旧HICORE-Products)」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。 ※本事例に記載の商品情報は初掲載時のものです。

  • 業種ボルトナット製造,油圧機器・機械部品製造
  • 特長生産性向上、利益向上

株式会社コモダエンジニアリング様(以下、コモダエンジニアリング様)は、千葉県柏市の部品メーカーです。使い慣れた旧システムに不満はなかったものの、OSのバージョンアップにハードウェアが追いつかなくなり、システムの刷新を決めました。程田社長(写真左から二人目)、中村営業部長(写真右)、依田課長(写真左)から新システム導入に至る経緯や、導入後の様子についてお話を伺いました。(写真右から二人目は菰田会長)

(導入の背景)

旧システムの性能に不満は無し。ではなぜ日立システムズに切り替えたのか。

― 御社では以前から生産管理システムを導入していたということですが、今回、日立システムズに切り替えたのには、何か旧システムに不満でもあったのでしょうか。

工場内は粉塵などがあるので、パソコンが壊れやすい

(依田氏):いいえ、不満はまったくありませんでした。
当社の業務に合うよう徹底的にカスタマイズしたシステムだったので、現場での使い勝手は非常に良かったのです。

― 満足度が高かったのに、なぜそのシステムを使うのをやめたのでしょうか。

(依田氏):以前のシステムは、Windows3.1ベースのシステムだったからです。工場では粉塵などが飛びかうため、普通のオフィスに比べてパソコンが壊れやすく、ハードウェアは定期的に交換しなければなりません。しかしWindows 3.1対応のハードウェアが次々と生産中止になって、とうとう調達できなくなってしまいました。

― つまり、今使っている機械はどんどん壊れていっているのに、かわりの新品機械が調達できないと。

(依田氏):そういう入り口なし出口なしの状況になってしまいました。通常のパッケージソフトであれば、いずれWindows95対応版、Windows2000対応版がメーカーから発売されます。しかし、当社のシステムは徹底的に当社向けにカスタマイズしたものだったので、バージョンアップしようと思ったら、ほぼ最初から作り直すのと同じぐらいの手間と費用がかかってしまいます

― それでやむなく、切り替えを決意したわけですね。

(依田氏):そういうことです。使い慣れたシステムでしたが、ハードウェアが調達できなければ仕方がない。やむなく新しいシステムに切り替えることにしました。

― 新システムを導入するにあたって比較検討はしましたか。

(依田氏):はい。誰もが知っているような大手システム企業を始めとして、6社が候補に上がりました。
そして何度かの選考を経て、最終的には日立システムズともう1社(Y社)の一騎打ちになりました。

(パッケージの選定)

日立システムズが選ばれたその理由

― 最終的に日立システムズが選ばれたポイントはどのあたりでしょうか。

「機能本位で選考しました」依田課長

(依田氏):何といってもOS対応の点ですね。
前回のシステムは、対応OSがWindows3.1であったばかりに泣く泣く捨てなければなりませんでした。本当は導入5年目を過ぎて、リース料もガクッと下がってくる頃だったので、これは実にもったいない話でした。もうこのような無駄を繰り返したくはありませんでした。

― 両社のOS対応の違いはどのようなものでしたか。

(依田氏):日立システムズは当時の最新OSであったWindows2000対応。Y社の方は、一世代前のWindows98対応でした。それなら日立システムズの方が長持ちするであろうと。

― しかし、その時点でWindows2000が最新型といっても、5年もすれば旧世代OSになってしまいます。結局また対応ハードウェアがなくなり、システムも廃棄する、という同じことの繰り返しになるような気がするのですが。

(依田氏):その点について「HICORE-Products」は、クライアントがWeb対応という点が非常に良かったのです。Web方式ならOSの世代交代のことは気にする必要もありません。

(中村氏):もう一点、日立システムズを選んだ理由としましては、契約の時だけ都合の良いことを言って、後は知らん顔という会社もよくある中で、日立システムズは以前から継続して対応が良かったという、その積み重ねも評価のポイントになりました。

(システムの構築)

「コモダエンジニアリング×日立システムズ」の共同開発サブシステム

“セミオーダーメイド式”でありながら“オーダーメイド”のようなカスタマイズ

― 「HICORE-Products」の御社業務へのフィット感はいかがですか。

「業務とのフィット感は上々です」依田課長

(依田氏):非常に良好ですね。日立システムズの説明では、「HICORE-Products」は、“セミオーダーメイド式”であり、それは“オーダーメイド”と“パッケージ”の中間のもとのことでした。でも、こちらの印象としては、まるで“オーダーメイド”のようでした。カスタマイズなどで融通の利かなさを感じることもほとんどありませんでしたし。

― 日立システムズは汎用機の頃から生産管理システムを作り続けており、そこで得た経験を一種の”業種テンプレート“や”ソフトウェア部品群”として社内に蓄積していますが、それらを活用して、お客さまのご要望をシステムに反映する方式を取っているので、オーダーメイドのように感じられたのではないでしょうか。

(依田氏):なるほど。そういうことでしたか。

― 「HICORE-Products」の操作性はいかがですか?

(依田氏):画面・帳票レイアウト、入力項目の移動などはだいぶ要求を出しました。というよりも、それこそ完全なオーダーメイドというほどです。
システムというのは、入れ替えると現場からは必ず「使いにくくなった」と不満が出ます。極端な話、フォントが変わっただけでも、使いづらくなったといわれます。こういう不満を最小限にするためにも、画面・帳票レイアウトはきっちりと調整し、Webシステムに変わっても以前の操作性はそのまま維持してもらいました。

他社からも見学者が訪れる独自のサブシステム

ラックの中には16,000枚の図面

(中村氏):これは「HICORE-Products」のオリジナル機能ではないのですが、当社が発案して、日立システムズと一緒に組み上げた独自機能があります。
設計図をすべてスキャナで取り込んで、作業指示票と一緒に印刷するという機能ですが、これは我ながら非常に便利な機能であり、他社からもよく見学者が訪れるほどです。

― 指示票と図面が一体化するのがなぜ良いのでしょうか。

(依田氏):以前は、作業指示票が出るたびに、事務スタッフがこの事務棟の図面入れから紙の図面を探し出して、その図面を現場に持っていきました。しかし当社の場合、アイテム数が非常に多い業種であり、図面も都合16,000枚もあるので、正しい図面を手作業で探し出すのは一苦労です。苦労があるというだけなら頑張れば解決しますが、困るのは人間が行うことなので、たまに間違った図面を持っていってしまうというヒューマンエラーが生じるということです。

― でも間違った図面を持っていったら、現場で気が付くと思うのですが。

作業指示票と図面が一体化

(依田氏):ところが当社の場合、「似ているけれど、ちょっと違う」という製品が極めて多いので、図面が少し間違っていても何とか作れてしまうのです。しかし、そうして出来上がったものは、お客さまの発注品とは違うものですから、当然のことながら納品はできません。ここで大きなロスが発生します。

― それが現在は、指示票と図面を一体化して印刷することで解決されたと。

(中村氏):図面をスキャナで取り込んで、指示票と一緒に出力されるようにしました。こうして一枚で印刷されればどうやっても間違えません。また、図面も常に最新の状態にアップデートされます。さらに、紙の図面の場合、ずっと使っているうちに破れたりかすれたりしますが、この方式ならその心配もありません。このサブシステムの導入により、製品の直行率、つまり作った製品がそのままお客さまに納品できる率が非常に向上しました。

(導入効果)

現場サイドと経営サイド、両方の視点からシステムの導入効果を考える

現場サイドが考える導入効果 ― 生産性が向上 ―

― 「HICORE-Products」に切り替えて、以前と比べて改善された点はありますか。

「アフターフォローが良いのは嬉しいことです」菰田会長

(依田氏):以前に比べて動作速度が格段に速くなり、工程がサクサク進むようになりました。以前のシステムは、動作速度があまりにも遅く、A端末とB端末で同時作業ができませんでした。端末からサーバーに同時に命令が行くと、キャパオーバーでパンクしかねなかったからです。ということはA端末が作業している間、B端末は待っていなければならない。普段ならまだしも、定期受注で大量入力がいっぺんにドーンと来たときなどは非常にイライラしました。
しかし、「HICORE-Products」の導入で、以前は2~3時間かかっていた受注処理能力が、今は30分で終わるようになりました。

― その他、改善された点はありますか。

(依田氏):先ほども述べましたが、アフターフォローが良くなりましたね。ちょっとした事であればメール一本打てば、遠隔リモート操作でさっさと直してくれる、そういう迅速さが大変助かります。

― 「HICORE-Products」の導入効果を一言でいうと?

(依田氏):生産性が格段に上がりました。先ほどもお話ししたとおり、一斉受注処理など昔は2時間~3時間かかっていたところが、今では30分で終わるようになりました。

(中村氏):ただ、現場はそれで良いとしても、経営側としては、このシステム導入効果の明確化というのは今でも悩みどころですね。

経営サイドが考える導入効果 ― ハッキリと明確化したい ―

― 具体的にはどのように悩ましいのでしょうか?

「生産性が向上したことは間違いありません」中村営業部長

(中村氏):生産管理システムを入れて、「スピードアップしました」、「効率が上がりました」と、それはそれでもちろん素晴らしいことなのですが、経営側からすると、もう少し利益なり、売上げなり、コストダウンなり、ハッキリと目に見えて分かる導入効果が欲しいわけです。
ただ今回の「HICORE-Products」について、導入して良かったのか、それともたいしたことはなかったのかといえば、これは明らかに良かったと思います。

― と言いますと?

(中村氏):「HICORE-Products」を導入したのが2002年頃ですが、その頃から比べると、今は当社の売り上げも2倍近くに伸びました。
この売り上げ増の要因がすべて「HICORE-Products」のおかげというのは言い過ぎですが、ただ確かな事実としては、売り上げが2倍になったからといって人員を2倍に増やしたわけではないということです。ですから、生産性が向上していることは間違いありません。
では、いったいなぜ生産性が向上したのかと考えれば、これはやはり「HICORE-Products」の導入によるシステム化が一番大きな要因といえるでしょう。

(今後の展望)

現場の業務効率改善から『攻めの使い道』へ

「今ある工程の効率化」から「今ある工程そのものの改善」へ

― 今後の生産管理システム活用の展望について教えてください。

(中村氏):これまでは現場の業務効率改善が主な使い道でしたが、今後はもっと『攻めの使い道』を探っていきたいところです。

― 『攻めの使い道』といいますと?

「システム導入の成否は使う側の器量で決まります」程田社長

(中村氏):生産管理システムを日々活用する中で、膨大なデータが入力され、蓄積されています。これをしっかり統計化して分析し、傾向を掴めれば、工程のムリ・ムダ・ムラの原因が分かるはずです。
現在は、「今ある工程の効率化」のためにシステムを使っていますが、これからは、「今ある工程そのものの改善」のためにシステムを活用したいところです。

(程田氏):私は、かつてカナダのダンプメーカーに在籍し、そこで大規模ERP導入を経験したことがあります。
その時に痛感したことは、システムの良し悪しというのは結局、「使う側の器量」で決まるのだということです。作る側のメーカーは、どこもそれなりに優秀な製品を作っていると思います。後はユーザー側がしっかり勉強して使いこなす。それが大事だと思います。
そういう視点でいいますと、日立システムズには今後、そういうユーザーの勉強を助けるような体制や仕組みを整えていただければと思います。

(依田氏):現場の立場からいうと、昔の日立のNHELPのような簡易言語があると良いと思います。
現場で運用していると、その場でだけ必要な一種の「使い捨てツール」が欲しくなるときがあります。そういうものは、わざわざSEに相談するのではなく、自分でサクサクと組んでしまいたいものなのです。

日立システムズへの期待

― 今後、日立システムズに期待することはありますか。

(程田氏):今回、日立システムズには素晴らしいシステムを提供していただきましたし、現場ユーザーからも、アフターフォローが良好だと聞いています。我々としても、今後さらに生産管理システムをよく勉強し、先手管理、すなわち生産管理の事前保証に向けてのツールとして活用し、生産活動における「悪魔のサイクル」を「エンゼルのサイクル」に変えていけるように励んでいく所存ですので、今後とも、よりいっそうの素晴らしい製品作りとサービスの充実に取り組んでいただけるようお願いいたします。

お客さまについて

社名
株式会社コモダエンジニアリング
設立
1936年11月15日
本社所在地
千葉県柏市根戸433
URL
http://www.comoda.co.jp/

取材および写真撮影にご協力いただいたお客さま、ご協力ありがとうございました。

取材日:2005年4月

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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